家づくりコラム
2021.09.14
一級建築士コラム~自然の力を利用した家づくり②

こんにちは、社長の松尾です。自然の力を利用した夏涼しい家づくりの2回目です。今回は「風」の重要性についてです。早速いきましょう。
地域ごとの風の流れを把握する
心地良い風を取り入れる。
大切なことは、自然の通風を取り込むことです。
家の中を風が通り抜けると自然な心地良さ、涼しさを感じるとともに、
暖まってしまった熱を家の外に出してくれます。
家の中、部屋の中を風が自然に通り抜ける為には
ただ窓の数を多くすれば良いわけではありません。
その土地にはその土地の風の特性があり
そこを理解し、
風の流れを屋外から室内へと誘導できるような窓の計画が必要です。

効果的な通風を考えた窓の配置
通風に効果的な窓にするためには、
風上(風を取り入れる)側の窓を地面に近い低い位置に設置し、
風下(風の出ていく)側の窓をなるべく高い位置に設置すると良いでしょう。
室内にこもった熱い空気は上の方に徐々に貯まっています。
自然の風を取り入れ
上に貯まっている熱い空気は家の外に排出するのです。
トップライトを設けたり、
階段上部に風の出口になる窓を設けるなど、
高低差を利用した通風計画はとても効果的となります。
敷地周辺の環境もチェック
自然通風には、近隣の環境も少なからず影響を与えます。
住宅が密集している地域では風の流れも変わります。
お隣のエアコンの屋外機の近くに窓を設置してしまうと
風を取り入れる為の窓のはずが
開けることの出来ない明かり取り用の窓になってしまいます。
それらの条件も考慮して効果的な窓の配置を考えましょう。
自然通風の活用は外気温が高い時はNG
今回ご紹介している、自然の風の流れを生かして涼を得る
自然の力(風)を利用した涼しい住まいに必要な条件は、
「日射遮蔽と自然通風」と考え、それらに着目しました。

自然通風に関しては、外部気温が高く陽当たりが良い場合は
熱風が室内に入り込むことになってしまう為、
外部気温が26℃~28℃程度を下回る場合に適していると考えられます。
...
また、冬場には「自然の力を利用した暖かい家」という考え方があります。
暖かい太陽光を取り込み
ここでも自然の力を上手に利用して
温かい家で健康に住む環境をつくる、という考え方です。
また寒い季節になりましたら、お伝えしたいと思います。