家づくりコラム
2022.01.07
私がなぜ制振装置evoltzを選んだのか?

代表の松尾です。最近お客さまから耐震について聞かれることが多くなりました。日本中で毎日のように地震が起きていて、ここ静岡市でも南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況にあります。今日は耐震等級の真実と、地震が来ても安心して暮らせる家について私の考えをお話します。
耐震等級が高いから安心だと思っていませんか?
耐震等級というのは、建物の強度の「指標」です。
住宅性能表示制度により耐震等級1~3まで3段階に定められています。
壁面を多くして筋交いなどを入れて構造を強固にするほど等級があがります。
簡単に説明すると、
◆耐震等級1
数百年に一度発生する地震(震度6強~7程度)に対して倒壊しない程度の耐震強度。数十年に一度発生する地震(震度5度程度)に対して損傷しない程度の耐震強度。建築基準法を満たすのがこの「耐震等級1」。
◆ 耐震等級2
耐震等級1の1.25倍強固にしたもの。「長期優良住宅」では耐震等級2以上が認定の条件。また、学校や病院など公共性の高い施設も耐震等級2以上の耐震性を持つように定められている。
◆ 耐震等級3
耐震等級1の1.5倍強固にしたもの。住宅性能表示制度で定められた最も高いレベル。災害時の拠点となる消防署や警察署は耐震等級3で建設される。
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1~3まで並べると耐震等級3が一番頑丈なのは一目瞭然ですね。
しかし、耐震等級3の家だからといって手放しで安心できないことがわかってきたのです。
そもそもこの制度が制定されたのは2000年です。
20年以上経った現在、研究によって新しい事実がわかってきました。

本当の怖いのは『共振(きょうしん)』という現象です
「共振」という言葉を聞いたことがありますか?
耳慣れない言葉で、少しとっつきにくい話になるかもしれませんが
とても大事なことなので少々我慢してお付き合いください。
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「共振」の意味とメカニズムについてお話します。
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地震が起きれば建物は揺れます。
建物にはそれぞれ揺れに対する固有周期があります。
周期、というのは揺れの長さ(時間)のことです。
建物の中心から左右に揺れて中心に戻ってくる時間で、
同じ揺れの場合、
耐震等級1の建物は、固有周期が長い(ゆっくり揺れる)、
耐震等級3の建物は、固有周期が短い(小刻みに揺れる)となります。
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そして、地震にも揺れの周期があります。
地震の周期と建物の周期が合ってしまうと、
お互いの揺れが同調し合い『共振』という現象が起きるのです。
共振すると非常に強い揺れが建物を襲うことになります。
耐震等級3の家でも大きく揺れる
ここで「共振」の実験動画をご覧ください。
動画でお見せした通り、
地震に強くする為に構造を強固にしたはずの耐震等級3の家も、
共振が起きれば耐震等級1の家よりも大きく揺れる、
ということがおわかりいただけたと思います。
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怖いのは、どの周期の地震が起きるのかわからない、ということです。
同じ町内でお隣さんは無事なのに、
我が家だけ特別に揺れて被害に合った、、なんてことも有りうるのです。
出した答えは「 制振装置evoltz(エヴォルツ) 」でした
「共振しない家づくり」が大切だというお話をしました。
残念ながら地震の揺れを全くゼロにすることはできませんが、低減させることはできます。
それが、『免振装置』や『制振装置』と呼ばれるものです。
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『免振装置』 は建物と地面を切り離し免振装置で揺れを逃がすもので、非常に有効です。
しかし、大きなコストがかかるというデメリットがあり
一般の住宅で採用するにはなかなか手が届かない工法かもしれません。
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一方 『制振装置』 は、建物の柱と梁に制振装置を設置し揺れを吸収するもので、
比較的コストを抑えながら、大きな効果を期待できます。
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私たち松尾工務店では「制振装置evoltz(エヴォルツ)」を全棟に採用しています。
制振装置と呼ばれるものは数多くありますが、
このevoltzを選んだ理由は
「世に出ている制振装置の中で唯一、共振(きょうしん)を低減することができる制振装置」だからです。
それだけでなく、わずか3mmの揺れから強烈にその効果を発揮してくれる優れものなのです。

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どの制振装置を設置を設置しても、ある程度の揺れを低減させることはできます。
しかし、「共振」という現象がいつ起こるかわからないという不安は残ったままです。
だから松尾工務店では 制振装置evoltz にこだわり、“全棟採用”を決めたのです。
いくらお客さまが「コストダウンしたいからうちには要らないよ」と言っても、付けます。
喧嘩してでも付けますよ(笑)
それくらい、安心安全な家づくり=お客さまの命と財産を守る役目として私には責任があるのです。
さいごに
共振すると危険な状態になってしまうのはおわかりいただけましたでしょうか。
だから
耐震等級だけに頼ってはダメなのです。
そのことをどうか理解してください。
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結論。
共振の起きない家づくりが安心な暮らしを守ることになる。
最後までお読みいただきありがとうございました。