家づくりコラム
2021.06.18
一級建築士が語る、プラン設計のポイント~柱と壁のバランスと強度
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社長の松尾です。「プラン設計のポイント」2回目の今回は、2階建ての家をプランする際の構造上のバランスについてです。少し難しい話に聞こえるかもしれませんが、我々建築士はこういったことも考えながらプランを考えているのです。そんな事もお伝えできれば。
1階はいつも2階を肩車している
木造在来住宅には平屋、2階建て、3階建てがあります。
敷地が広ければ平屋はとても暮らしやすく、とても贅沢ですね。
その中でも、2階建てを選ばれるご家族が圧倒的に多い理由は
家族構成、敷地のサイズ、コスト面から考慮し一番現実的だからです。
建物の希望サイズが敷地サイズを越えているのであれば
3階建てのように上に伸ばしていくことを考えなくてはなりません。
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さてここから構造の話になります。
2階建ての建物の1階部分はいつも、いつも2階を肩車しているようなものです。
3階建ての建物の1階部分は
2階と3階を肩車し続けているのです。
どちらの場合も1階部分は「いつも力を使うがんばり屋さん」でないといけません。
そうです。
1階部分は力持ちでなくてはならないのです。
プランの考え方の基本を言うなら
「2階の壁の下には1階の壁、柱の下には柱がある。」
構造力学上、これが理想です。
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しかしながら、1階と2階の間取りが同じになることは
賃貸住宅以外では基本ありません。
1階の大空間(空洞)の上に2階の区切られた部屋がいくつか乗ってくれば、
壁や梁を補強していく必要があります。
こういった補強をすることにより自由なデザインが可能になるのです。
しかしプランやデザインを優先するあまり、
構造をあまり考えないで
「補強さえすれば大丈夫。」
という考え方はあまりお勧めできません。
過度に補強しなくてもバランスの良いデザイン、プランを考えるのが最善です。
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壁のバランスについて
壁についても同じです。
壁の量は少ないより多い方が強いことは察しがつきますね。
壁量も大切ですが、更に大切なのはここでも「バランス」の良い配置ということになります。
いくら壁がたくさんあっても
バランスが悪く片寄っていれば強い建物にはならないからです。
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以上のことを専門用語では
『柱の直下率』『耐力壁の直下率』と言います。
耐震等級だけ高くても、この『直下率』が低ければ
耐震等級とは別のところから強度に差が出てしまうわけです。
地震のメカニズムについては、
耐震等級という指標が出来た西暦2000年より後に、
多くの事実がわかりつつあります。
『直下率』も大切な指標のひとつなのです。
さぁ、自分でもプランを描いてみましょう!
色々難しいことを書きましたが、最後に。
これから家を建てようと考えている方へ、
ぜひご自分の家の設計プランを描くことをおすすめします。
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最初はうまくいかないかもしれませんが、
何回も書き直してみると、自分たちの生活スタイルに合うプランが見えてくると思います。
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「1階2階のプランの辻褄が合わない」とか気にせず
どうぞ「夢のプラン作成」を楽しんでみてください。
建築士ではないので、好きなように書き並べて楽しむこと。
それが我が家の「家づくりはじめの一歩」でいいんじゃないでしょうか。
難しいことは私たち建築士に任せて、
ご家族であーだこーだ言いながら(笑)
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きっと楽しく、思い出深い
自分たちだけの最高の家づくりが出来ると思います。
まずは、「好き勝手に何でも書いてみる」からはじめましょう。