家づくりコラム
2020.11.17
意外と知らない住宅ローンのお話
社長の松尾です。家づくりをされるほとんどの方は住宅ローンを組まれています。年配の方ならともかく、若い子育て世代の方たちが土地や家を現金で購入されるケースはほとんどありません。若くして2000万円も3000万円も預金を使って家を建てたのならば、きっと税務署が目を光らせて、どこで手に入れたお金なのかを躍起になって追及し、税金(贈与税等)を徴収しにかかることでしょう。たとえ申告済みのきれいなお金でも、現金で家を建てようとする場合はいつ、どこで、どのように、手に入れたお金なのか?出所だけは、はっきりさせておきましょう。いらぬ問題が降りかからないように。「備えあれば憂いなし」注意が必要です。 今回は住宅ローンのお話です。
変動金利か固定金利か。どちらを選べばいい?
住宅ローンと一口で言っても今や5000種類以上もあると言われています。
凄い数ですが、大きく分類すると
「変動金利と固定金利」
たった2つのタイプに分かれます。
一般の銀行、信用金庫などの金融機関が個々に扱っている住宅ローンは
ほとんどが変動金利というタイプになります。
国が管轄する住宅支援機構(旧住宅金融公庫)では、
「フラット35」という固定金利(最も有名な住宅ローン)があります。
変動金利と固定金利。
どちらを選べば良いのか???
とても興味のあるところですね。
そんな気になるところを一緒に見ていきましょう。
借りやすく景気に左右されるのが変動金利
年2回(6ヶ月ごと)に、金利を見直し、
常に最新の金利が反映されるのが変動金利です。
他にも一定期間(3年、5年、10年など)固定金利で定めた期間を過ぎると
金利が変動していくものもあります。
そして、スタートは変動金利から始まり、
途中で固定金利に変更できるミックス型なんてのもあります。
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いずれにせよ、金利が変わる時期はそれぞれですが、
次の期間の金利が「何パーセントになるのかわからない」
というのが変動金利の特性です。
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金利が変わると毎月支払っている金額はそのままでも
その中身内容(元金と金利の割合)が変わっていきます。
金利が上がれば返済総額は増え、
逆に金利が下がれば返済総額も減るというわけです。
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お金を貸す「金融機関側にとってはリスクが低く、お客様は借りやすい」ということが言えるでしょう。
その反面、経済状況の変化、景気が上向きになれば当然金利も大きく変わっていきます。
お客様にとっては「借りやすいがリスクもある」と言うことを忘れないでください。
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金融機関の窓口などで
「まだまだ金利は上がりそうにないですね。」
そういった声も良く聞きます。
そう思われる方には変動金利も良いのではないでしょうか。
そもそも経済学者でも近い将来の予測すら当てることは困難なわけですから、
「いつ頃金利が上がるのか?」
「どのくらい上がるのか?」
そこを予測することは誰にもわからない。
というのが実情ではないでしょうか。
家賃のように払い続けていくのが固定金利
ローン開始時の金利は変動金利に比べ高く感じると思います。
しかし、変動金利のように景気と連動して支払い額に影響することはありません。
10年程前の金利は今よりも、変動で0.8%~、固定で1.2%~くらい高かったと思います。
10年で意外と変化するんですね。
そう感じましたか?
実際には日本銀行の総裁が「量的緩和処置の打ち切りを考えて・・・」
なんて言葉を言ったりすれば、たちまち・・・
半年ほどの間に金利が大きく (たしか、1%ぐらい上昇したと記憶しています) 動いたこともありました。
変動金利を選ばれた方は、そうしたニュースにもある意味、敏感になっていてほしいものです。
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逆に固定金利はずっと金利が変わらないので、家賃のように払い続けていく。
将来的にも生活プランは立てやすく、安心して支払っていけるとも言えます。
人それぞれ、家族それぞれ、生活スタイルも考え方も違います。
変動金利はその都度金利が変わるのでローンが終わるまで
いったいいくら払うのかは誰にもわかりません。
固定金利はローン契約を結んだ時に
金額も全て決まりその後、変わることはありません。
どちらが安く済むのかについては
長い住宅ローンを払い終わったところで
ようやく比べられるものとなります。
住宅ローン、お客さまはどちらを選んだのか?
しかし、ここで比べたいのは金額の大きさではなく
将来に向けたリスクではないでしょうか。
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例えば3000万円の住宅ローンを借り入れて
変動金利5%、35年で支払っていくには
月々78,000円程の支払額になります。
固定金利1.0%、35年で支払っていくには、
月々85,000万程になります。
毎月7000円の差は大きい額と言えるでしょう。
ここだけ見れば誰もが変動金利に傾きやすいのは明らかです。
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しかし、変動金利はいつ上昇するのか?、いくら上がるのか?
というリスクを35年間ずっと背負い続けることにもなります。
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もし、将来10年後、15年後に景気が良くなり
金利が上昇すれば「支払額も大きく変わってしまう。」
それは大きなリスクと言えるでしょう。
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15年後の景気がどうだ?なんて誰にもわからない。
そのわからない15年後の未来は
まだ住宅ローンの前半戦です。
金融機関等ではあまり聞くことが出来ないこんな話も
頭の片隅に置いておいてください。
きっとどこかで役に立つと思います。
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それでは実際に、私たちの工務店でこの1年間に家を建てられた
お客様(2020年お引渡し12棟)が
どのように資金調達をされていたのか?についてまとめてみると
変動金利=5棟のお客様
固定金利=5棟のお客様
現金=2棟のお客様
という結果でした。
いろんな意見がありますが、様々な角度から、たくさんのアドバイスをお聞きください。
そしてあなた様ご家族に合った住宅ローンは
どんなタイプなのかを一緒に探していければ幸いです。